イヤな短歌・イヤな付け句(4月30日)
■イヤな短歌
浅はかな拙い歌が恥ならばそっと屈んで土に埋めたい/なさわご
■イヤな付け句
聞いたことない音がした暗闇を
見たことのない顔で見ている/梓川葉
下の句お題:鞘森天十里(さやもりあとり)
孵化したらわたくしだけに口を利くロールキャベツに包んだ鳥たち/えびたらいち
上の句お題:souko守宮
考えて考え抜いたその先に
包丁を手にすと立ち上がる/月ノ花(ユエノハナ)
上の句お題 す↔な
返り血も怨みも流してくれるなら止まない雨をもう恨まない/月ノ花(ユエノハナ)
下の句お題 さこ(砂狐)
片付けて普通な顔で下山する
時計を見れば午後五時ちょうど/月ノ花(ユエノハナ)
上の句お題 鞘森天十里(さやもりあとり)
霧雨はやがて雨へと変わるから
私の心の澱も溶かして/月ノ花(ユエノハナ)
上の句お題 さこ(砂狐)
つぶやきつつタイムラインを確かめず
師匠と真逆のことを言いをり/鞘森天十里(さやもりあとり)
上の句お題:とど
兄さんが望んで行った隠世(かくりよ)は
信じたままの世界でしたか/鞘森天十里(さやもりあとり)
下の句お題:深水遊脚
常温の水ならあります飲みますか
あと人肌の血もありますが/鞘森天十里(さやもりあとり)
上の句お題:梓川葉
薔薇の花抱えてふいに飛び出した
目の前にある段差気付かず/鞘森天十里(さやもりあとり)
上の句お題:雪の空
にゃんにゃんと可愛い声で擦り寄って
餌なきを知り威嚇して逃ぐ/鞘森天十里(さやもりあとり)
上の句お題:基維ひなた
福引で西瓜丸ごと当たれども
買った包丁もう錆びてるな/鞘森天十里(さやもりあとり)
下の句お題:雪の空
薔薇の花抱えてふいに飛び出した
左手から鳴るクラクション音/月ノ華(ユエノハナ)
上の句お題:雪の空
屋上は誰も来ないし晴れてるし
人生最後の煙草を点ける/月ノ華(ユエノハナ)
上の句お題:鞘森天十里(さやもりあとり)
常温の水ならあります飲みますか
変な味がする? 自己責任です/月ノ華(ユエノハナ)
上の句お題:梓川葉
「せめてもの救いであれば良いけれど」
呟く先に広がる血だまり/月ノ華(ユエノハナ)
上の句お題:鞘森天十里(さやもりあとり)
でもどうせそれも結局うわべでしょ泣いているとか決めつけてるし/深水遊脚
上の句お題:す↔な
薔薇の花抱えてふいに飛び出した
君の右から左折の車が/鞘森天十里(さやもりあとり)
上の句お題:雪の空
入り口のガラスに映るわが影に
手を振られきゅ、と心臓跳ねる/月ノ華(ユエノハナ)
上の句お題:深水遊脚
「でもどうせそれも結局うわべでしょ?」
銃を突きつけニヤリと嗤う/月ノ華(ユエノハナ)
上の句お題:す↔な
昨晩は月もなかったようだから
ついに地球も消えはじめてる/お由美
上の句お題:鞘森天十里
(作品ここまで)
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