イヤな短歌・イヤな付け句(4月29日)
深水遊脚さんが主催する「イヤな短歌」「イヤな付け句」の作品のうち、短歌の日にご参加いただいた作品をご紹介いたします。
■イヤな短歌
密になるとはもう誰も言わなくてやっと住みやすくなるウイルス/深水遊脚
折り畳み傘は傘立てには立たず低身長につめたい雫/深水遊脚
酒を飲み包丁をもつもんじゃないブラッドオレンジはそうじゃない/深水遊脚
爪を切りたくなる時はいつも夜 鼾を止めてみたい手のひら/深水遊脚
土曜日の朝の銀座がカオスです
用事を済ませてさっさと帰る/梓川葉(あずさがわよう)
朝イチで予約したのは空いている 時間だからのはずでしたのに/梓川葉(あずさがわよう)
誰よりも君のことなら解ってる
出会う前からずっと視ていた/おもちもちこ
■イヤな付け句
ないことにされ世界から消されてた止まない雨をもう恨まない/深水遊脚
下の句お題:さこ(砂狐)
霧雨はやがて雨へと変わるから我慢するのはもうやめにする/深水遊脚
上の句お題:さこ(砂狐)
キッチンの水切りカゴに置いてあるかつてお刺し身だったぬるぬる/深水遊脚
上の句お題:梓川葉(あずさがわよう)
明日なら大丈夫って言ったよね今日になったら明日とか言って/深水遊脚
上の句お題:鞘森天十里(さやもりあとり)
昨晩は月もなかったようだから誰のせいにも出来ぬ振る舞い/深水遊脚
上の句お題:鞘森天十里(さやもりあとり)
エゴサーチしては言い訳を連ねて熱を帯びたるノートパソコン/深水遊脚
下の句お題:とど
事故に沈んだ手は友達を求めてる横断歩道渡りきれない/深水遊脚
下の句お題:雪の空
霧雨はやがて雨へと変わるからうちの布団は全滅したな/鞘森天十里(さやもりあとり)
上の句お題:さこ(砂狐)
温もりを求めて眠る猫の下に熱を帯びたるノートパソコン/鞘森天十里(さやもりあとり)
下の句お題 とど
昨晩は月もなかったようだから
間違えたのねと母が嗤った/おもちもちこ
上の句お題:鞘森天十里(さやもりあとり)
いつぞやの君が言い出した約束わたしと一緒に主も聞いていた/とど
上の句お題:雪の空
考えて考え抜いたその先に付会が浮かぶ筆力に泣く/澤本佳歩
上の句お題:す↔な
(3連作:3首とも下の句出題:鞘森天十里)
刑場の跡に生えてる松の木を見たことのない顔で見ている/深水遊脚
君が消えた角から伸びる細道をまっすぐ行くと稲荷があるな/深水遊脚
血飛沫の臭いが風に混ざる刹那 時計を見れば午後五時ちょうど/深水遊脚
駆け込んだ電車のなかで咳き込んで
手から溢れる己が血を見る/月ノ華(ユエノハナ)
上の句お題:深水遊脚
(作品ここまで)
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